理想の和風住宅を建設するために

日本に生まれたからには、一度は理想の和風住宅に住んでみたいものです。日本の和の伝統を踏まえた住まいは、特別なものではありません。戦前までの普通の住宅は、和の伝統を踏まえたものでした。和の伝統を踏まえた住まいの特徴は、現代の科学でも証明が可能な合理的なものです。構造は木造軸組み工法を用い、正しい方法を使えば、大きな地震に十分耐えるものです。間取りは畳の寸法をモデュールにし、和室が中心の可変的なものです。仕上げは自然素材を用い、健康的な住まいが実現できます。自然の風を取り入れたり、強い日射を庇や広葉樹により遮ったり、合理的なエネルギーのコントロールがなされています。基本的な和の伝統を踏襲し、便利な設備機器を取り入れることで、現代でも通用する快適な住まいをつくることができます。

伝統木工法による地震でも壊れない家づくり

ほとんどの和風住宅は、木造軸組み工法でつくられています。無垢の木材を柱に使う工法は、優れた耐久性を誇ります。奈良の法隆寺のように、木材を正しい方法で用いた建物は、千年以上の寿命を誇ります。木造軸組み工法は、せいぜい50年が寿命の2×4工法や軽量鉄骨プレハブ工法よりも優れている点は、耐久性にあります。木造軸組み工法は、日本の伝統木工法の一部を踏襲していますが、異なる部分もあります。筋違いは木造軸組み工法にはなかったもので、建築基準法により設置が義務付けられています。筋違いは地震時に力が集中しやすく、壊れる危険があるので、伝統木工法では用いられてきませんでした。その弱点を補うべく、床の剛性を高めることにより、建物が一体となって地震に提供する工法が考えられ、現在の標準となっています。

和風建築の随所に光る伝統に裏付けられた生活の知恵

和風住宅はトータルで見て長持ちし、暮らしやすいものです。屋根に葺かれる和瓦は耐火性、耐久性が高く、ほとんどメンテナンスのいらない材料です。カラーベストやシングル系の材料は頻繁な塗装替えをしなければ防水性能を維持できないのに対して、和瓦は一度葺けば、そのままの形で長持ちします。長い庇のでは壁の劣化を防ぎ、夏の直射日光を遮る役割を果たします。和の伝統は、必ず畳の部屋を設けなければならないというような窮屈なものではありません。畳一帖分をモデュールとした寸法が使われれば、床をフローリングにしてもかまいません。和の空間には自然素材が似合います。無垢のフローリングや、しっくい、珪藻土などの自然素材は、住む人々の健康を守ってくれます。床まで開けられた十分な大きさの窓により、自然の風を取り込んで、湿気を排除することができます。理想の住まいは伝統を踏襲することで得られます。